麹町中学校のとにかく生産的な教育システムが日本を救う【カンブリア宮殿 2019年9月26日放送 】
千代田区の麹町中学校では公立とは思えないほど画期的で先進的な教育方針を取り入れているのだ。
まず何と言っても、宿題と定期テストが無い。
定期テストが無いとは言っても、テストを全くしない訳ではなく、単元ごとに細かくテストを実施するのだ。
一般的な日本人なら誰もが経験があると思うが、中間テストでは直前にだけ詰め込み勉強をして、テストが終わったらすっかり忘れてしまう。
さらに、全教科が同じ時期に実施されるので、総合点を稼ごうと思えば、当然捨てる教科も出てくるはずだ。
ところが麹町中学校のテストでは、授業の一区切り毎に細かくテストが実施されるので、日々の授業をしっかり聞いていれば、テスト直前に詰め込む必要がない。
そのため、生徒は一夜漬けして一時的な記憶を身につけるだけの勉強をする必要はなく、継続的に知識を定着するための勉強をすることが可能になるのだ。
さらに、麹町中学校のテストのユニークな特徴は、1回目の点数が悪くても、2回目のテストの受験が可能なのだ。そして、その2回目のテストが成績として正式に反映される。
そうすることで、生徒は一回目のテストで良い点数が取れなくても、二回目のテストに向けて一回目のテストで得た反省点だけを集中的に勉強することができるのだ。
これは物凄く素晴らしい仕組みだと思う。
本当の意味での勉強とは、自分が出来ないことを出来るようにすることなのだ。
自分が何が苦手で、何を勉強すれば点数が良くなるのかを考えながら勉強することがとても大事なのだ。
既に解ける問題を何回も解いたところで、何も身につかない。
何を勉強することが自分に取って必要なのかを考えることが最も効果的な勉強方法だ。
これは我々ビジネスマンにも凄く当てはまると思う。
ただただ単純作業をすることは、何も価値を産まない。
それは仕事ではなく「作業」だ。
「作業」できることを繰り返すだけなので、頭は使わない。
そして厄介な事にこの「作業」というやつは、それなりに疲れてなぜか仕事をした気になってしまうのだ。
一方、本当の意味の「仕事」とは、全く新しい付加価値を生むことだ。
そのためには、世の中には何が足りていなくて、何をすれば周囲が幸せになるのか、トコトン頭を悩ませる必要がある。
こういった「仕事」は成果が出るのに時間がかかるのだが、正しくトライアンドエラーを繰り返すことで、世の中に新しい価値を生み出すことが出来るのだ。
麹町中学校の教育方針は、我々ビジネスマンにとっても物凄く重要なことを教えてくれる。
出来る問題を繰り返すような単純作業は何の価値も産まず、それを盲目的に繰り返すことは絶対悪である。今流行の働き方改革にとっても重要なテーマだ。
そう考えてみれば、麹町中学校の教育こそが当たり前であるはずだ。
そんな当たり前に、公立校である麹町中学校が先陣を切って取り組んでいるのが素晴らしい。
そんな麹町中学校の教育を作ったのが、工藤校長、59歳。
徹底して合理的な教育改革を進めた工藤校長は、てっきり民間出身かと思ったが、意外にも教師一筋のキャリア。いかにも厳しく生真面目そうな教師らしい教師だ。
大胆な教育改革を進める過程では公務員組織の中で反発も大きかったはずだ。
工藤校長自分の正しいと思ったことを突き進めるパワーとリーダーシップが突出しているのだと思う。
麹町中学校は担任制度もユニーク。
1人の教師が、1つのクラスを専任で持つのではなく、教師8人で全体を担当するのだ。
こうすることで、生徒はどの先生にもフラットに質問することができる。
生徒にとっても性格的に合う先生と合わない先生がいるはずだが、この制度によって、自分との相性や、質問したい内容によって、相談相手の先生を選ぶことが出来るのだ。
この仕組み、生徒にとっても先生にとってもハッピーなはずだ。
麹町中学校の教育の内容は、とにかく「生産的」だ。
無駄を徹底的に排除し、生産的なことにパワーを注いでいる。
日本の課題である労働生産性の向上など、あらゆる諸問題を根本的に解決するような教育になっている。
麹町中学校の教育こそが、日本のスタンダードになるべきだと思う。
ちなみに、麹町中学校、比較的服装も自由なようだ。
これも工藤校長の「学校のルールは、一般の社会のルールと同じで構わない」という方針からだ。過剰な規則によって、先生も生徒も無駄に消耗する必要は無いのだ。
・・・なるほど。
うん。
今どきの中学生は大人っぽく色気があるね。
麹町中学校、最高だ。
工藤校長、たくさん本を出していて有名人のようです。
レビュー50件で、星5つは凄い。
さすが。次の週末読んでみます。