ゾゾタウンと不良品に関する返品交渉に1年かけてようやく完全決着
去年の夏。
ゾゾタウンで夏用のパンツを購入した。
COOL素材の、夏にピッタリなパンツ。
履き心地も良く、結構気に入っていた。
ところが、履いてみて気づいた。
なんと股の間がパックリと避けているではないか!!
何とも恥ずかしい裂け方。。
人に見つかる前に気づくことが出来て本当に良かった。
このパンツは履き心地も良くデザインも気に入っていたので、僕はこちらの不良品は返品し、同じものを再度購入することにした。
すると数日後、ゾゾタウンより返品に関する返信が来た。
何と、返品には応じられないとのこと。
上記商品の件でございますが、ブランドより、使用感が強いため
返品対応はお受けいたしかねるとの返答がございました。
ご希望にそえず、誠に申し訳ございませんが
返品でのご対応は難しいため
修理対応にてご容赦くださいますようお願いいたします。
・・ゾゾタウンさんよ。
確かに1回履きはしたので多少の使用感はあるのかもしれないが、それにしても股が裂けているのでは流石に使い物にならない。
修理対応も分かるのだが、僕は同じものを再度購入してしまっているので、返品させてくれないと困る。同じものが2着あっても仕方がないのだ。そこは流石に分かって欲しい。
さらに言えば、完全にゾゾの落ち度での不良品が届けられたにも関わらず、そのせいで僕は同じものを2つも購入してしまい、一方でゾゾは2倍の利益を得ている。さすがにこれでは到底納得は行かない。
そんな背景も考慮して、なんとか返品には応じてくれないかと僕はゾゾに引き下がった。
ところが、ゾゾからの返答によると、一向に譲る気配が無かった。
恐れ入りますが、サイト上にも記載をしておりますとおり
着用後の商品につきましては、返品対応をお受けしていない状況でございます。
いやいや、返品の規定は分かるのだけど、僕は同じものを購入してしまっている。そもそもゾゾ側のミスが原因なんだから、そういった背景も考慮して総合的に判断して欲しい。
何とも融通の効かない対応だ。
多分、アルバイトの社員がマニュアル通りに対応しているのかもしれない。
通常のビジネスジャッジであれば、返品対応は理解できそうなものだが。
ましてや僕は年に何度もゾゾで買い物をする、ロイヤルカスタマーだ。ここまで無下な対応をされるのは心外だ。
これに対して僕は「じゃあゾゾの言う使用感を証明してくれ」という悪魔の証明のような意地悪な質問もしたてみたのだが、ゾゾからはやはり返答は頂けなかった。
こうして返品交渉は平行線のまま終わった。
面倒臭くなって、諦めて放置していた。
悔しいが、たかだか数千円の話だし、どうでも良くなってしまった。
去年の8月の話である。
そうしてそれから1年が過ぎた今月、突如ゾゾからメールが届いた。
先日よりご連絡しております上記商品ですが
●●様のお預かり品として、私どもで1年間保管をしておりました。
しかしながら、保管期限である1年間が経過いたしましたので
こちらより、ご連絡させていただきました。
このままご連絡いただけません場合
商品は、弊社にて破棄のご対応となります。
そのため、保管している商品につきましては
再発送にて、お戻しさせていただきたく存じます。
1年が経ち、僕もすっかり忘れていたのだが、まだゾゾは不良品を保管していたようだった。
廃棄するか、再発送するかの選択を迫られたが、廃棄するのももったいない気がして、一応再発送してもらうことにした。
ところが、到着した商品は、依然として股が破れたままであった・・・!
こんな股の破れたパンツを貰って、一体どうしろと言うのだ。ゾゾダウンさんよ・・。
返品はとっくに諦めていたのだったが、このゾゾの対応で僕のファイティングスピリッツに再度火が付いてしまった。
僕は1年ぶりに、ゾゾのカスタマーセンターに問い合わせを入れた。
僕「ご返送ありがとうございます。ただ、破れたまま送られても困るのですが、やはり返品願えませんでしょうか。」
僕なりに、冷静に、且つ常識的に返答したつもりだ。
それに対し、ゾゾからの返信は以下の通りだった。
販売ショップより、無償修理の提案がございましたが
●●様にご了承いただけなかったため修理対応を行っておりません。
ご返送いただいた状態にて弊社で
1年間保管させていただいていた次第でございます。
また、重複のご案内となり大変恐縮ではございますが
こちらの商品に返品及び返金対応はいたしかねております。
相変わらず融通が効かない・・。
アマゾンのカスタマーセンターだったらとっくに返品対応してくれているはずなのに、ゾゾのカスタマーセンターは本当に融通が効かないのだ。
確かに、ゾゾの言う通り、僕は返品対応を一貫して主張し続けていたのでゾゾの提案する修理対応を許諾してはいなかった。なので、ゾゾの言う意味も多少は理解できる。
ここでそろそろこの平行線に終止符を打ち、泣き寝入りしようか。。正直もう面倒臭い。
そう諦めていた矢先、僕は神の一手を思いついたのだ・・!!
僕はゾゾのカスタマーセンター宛に以下のようにメールを返信した。
「私の修理への許可の有無以前に、今回の売買契約では、貴社(ゾゾタウン)は不良品ではない通常品を送り届ける義務(債務)があるはずです。その義務を果たしていない以上、貴社は債務不履行となります。そうなると、そもそもこの売買契約は成立していません。返品以前の問題です。どうぞ、適切に判断ください。」
返品するしない以前に、そもそも売買契約が不成立であるのと主張に切り替えたのだ。
10年以上前に受けた大学の民法の授業で得たかすかな知識が、令和になった今始めて役に立った。
我ながら面倒くさい客である。
それは自分でも分かっている。
しかしながら、こちらに否がないのに泣き寝入りすることは僕の中の正義に反するのだ。
許せ。ゾゾダウンよ。
そうしてゾゾダウンもついに自分たちの否を認めたのか、あるいは面倒くさい客にこれ以上関わりたくないと思ったのかは分からないが、このメールの後すぐに返品に応じてくれた。
まさに1年越しの返品交渉の末、ついに勝利したのだ。
ネット通販では、トラブルは付き物だ。
- 違う商品が届いた。
- 商品の内容が説明と違う。
- 予定通りに届かない。
などなど枚挙にいとまがない。
こういった通販のトラブルの大半は「債務不履行」の状態なのだ。
こちらの弁護士相談広場のサイトでも説明があるが、「債務不履行」というワードは消費者として覚えておいて損がない。
債務不履行とは簡単に言うと、買い物などの身近な取引(契約)の際に、相手方が「約束通りの責任を果たしてくれていない」ことを指す。
なので、上に記載したような通販で起こるようなトラブルの大体は「債務不履行」に該当するはずだ。
実際に債務不履行だからといっていちいち裁判を起こすのは骨が折れるが、ゾゾのような大企業クラスの会社が相手であれば「債務不履行」というワードを出せば、普通は適切に判断してくれるはずだ。
もちろん、消費者側もしっかりと規約を理解して、商品も確認する責務もあるので、債務不履行を理由に無闇にクレームを入れるべきではないが。