いつも残業が多い人は、だいたい「仕事」ではなく「作業」をしている
働き方改革が叫ばれて久しいが、相変わらず残業が多い人はいつも残業ばかりしている。
僕の会社は年俸制なので基本は残業代は発生しない。なので、さっさと帰った方が得なのである。にもかかわらず、いつも決まって残業ばかりする人は必ず一定数いる。そしてそれは大抵決まったメンバーだ。
僕の会社で、中でも特に残業が多い人がいる。その人は40歳前半独身の女性。役職は主任。
彼女は毎日終電近くまで働いている。夜中や土日でも仕事のメールをバンバン送って来る。ゆっくりと休日を過ごしている様子もない。よく言えば真面目で仕事熱心なのだと思う。
ところが彼女は、裏で若手女性社員から猛烈に嫌われている。彼女は決して性格は悪くなく、むしろお節介なくらいに親切な人だ。後輩女性社員に対しても丁寧且つ熱心に接している。
にも関わらず、彼女は裏で若手女子社員から「ババア」と呼ばれている。まだ40歳前半くらいなのにババアとはなかなか酷い。
先日、若手女子社員の人たちと少人数で飲む機会があったのだが、そこでの話題はこのババアに対する悪口のオンパレードだった。ちなみに、僕は他人の悪口を聞くのは嫌いではない。
そこで僕が特に印象に残った悪口は「結局、ババアは暇なんだよ」という言葉。
この言葉で、僕はこのババアが何故ここまで若手女子社員達に嫌われているのか、そしてこのババアは何故いつも残業ばかりしているのかが少し分かった気がした。
残業ばかりしている人は、結局仕事に逃げているのではないか。
恋人がいない。
休日遊ぶ人がいない。
打ち込める趣味が無い。
つまり、プライベートが充実していない。
こういった人たちは往々にして仕事に逃げがちである。
プライベートを充実させる努力をしない言い訳として、必要以上に仕事に時間を費やしている。
ババアも仕事熱心な割には別に大きな成果を出している訳では無い。正直僕から見れば、仕事というよりは「作業」をしているように見える。
本来「仕事」とは、「作業」を効率化し、少ないリソースで大きな成果を生むための仕組み作りに頭を悩ませることだと思う。
ところが厄介なことに、この「作業」というやつは充実感を生むのだ。新しいアイデアを生むために、一日中デスクでウンウンと頭を悩ませるよりも、一日中ひたすら経費の精算をやった方が終わった後の方が充実感があることは想像がつきやすい。当然、経費精算など何の付加価値も生まない。
僕が見る限り、いつも残業が多い人は、結局はこの「作業」が多いのだ。そしてこの「作業」を減らすために頭を使っていない。ここに頭を使うことが本当の「仕事」であるのに。
ババアが若手女子社員達から嫌われているのは、プライベートを充実させることを諦め、その言い訳として大して価値を生むわけでもない仕事(作業)に逃げている姿を、将来自分たちが絶対になりたくない姿として認識されているからではないかと思った。
孫正義やイーロンマスクが、世界を変えるためにプライベートを捨てて一日中「仕事」に没頭する姿は美しく格好良い。
いちヒラリーマンが、プライベートを捨てて一日中「作業」に没頭する姿は酷く醜い。
僕からは以上です。