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亀田興毅は晩節を大いに汚してしまった【2019年6月22日放送 AbemaTV 那須川天心VS亀田興毅の感想】

週末にabema TVで放送された、那須川天心VS亀田興毅の戦いを振り返りたい。

abema.tv

結果から先に振り替えると、那須川天心亀田興毅を圧倒した内容だった。亀田興毅も三階級制覇したチャンピオンなので、僕はボクシングルールなら亀田も簡単には負けないと思っていたが、ここまで那須川天心が圧倒するとは正直予想外だった。

 

それだけ那須川天心が凄かったのもあるが、亀田興毅がちょっとアレだったなと思う。

 

では、試合内容について。

 

開始早々、1Rから天心の早いジャブが亀田興毅のガードをすり抜けて何度もヒットする。ガードに定評のある亀田興毅だが、天心のジャブはそれ以上に速かった。早いし、重い。天心のジャブはボクシングというよりも空手の「突き」に近い。一直線に体重を乗せるジャブで、見た目以上に重いと思う。ジャブだけでも亀田は結構効いてしまっていた。

 

亀田興毅は現役時代はスーパーフライ級(50~52kg)。この日の契約体重は58kg。亀田は現役時代はガードを固めることで相手のパンチを凌いでいたが、この日は那須川のパワーにガードの上から何度も効かされていた。同じ体重同士のはずだが、体格は那須川の方が一回り大きいように見えた。今まで戦ってきた相手よりも大きくパワーのある相手のパンチに、亀田は戸惑っているようにも見えた。

 

2Rも終始那須川のペース。ジャブで出鼻を挫かれ、亀田興毅は全く手が出ない。プレッシャーをかけてボディを狙っているように見えたが、接近戦になっても那須川の方がパワーがあったので、近付くにも近付けない印象だった。

 

そして3Rの最終ラウンドは互いにヘッドギアを外しての対戦。亀田興毅は腹を括ったのか、動きが良くなった。ヘッドギアを外して集中力が高まったように見えた。亀田の右フックとカウンター気味の左ストレートが何度か那須川にヒットした。ところが、那須川は効いたそぶりを見せずすぐさま反撃するので、亀田は押し込むことが出来ない。逆に那須川のストレートがヒットし、亀田はふら付く。意識が飛びかけ、立っているのがやっとの状態だ。ここで詰めればダウンを奪えたはずだが、那須川は追い討ちをかけるのを戸惑っていたようだった。あくまでエキシビジョンマッチなので、必要以上に精神的・肉体的なダメージを与える必要は無いという配慮があったのかもしれない。

 

互いにダウンは無かったものの、結果は那須川天心の圧勝だった。

さすが天心の格闘センスは半端ないと思う。

 

ただ、今思うと、亀田興毅は試合前からメンタル面で完全に負けていたように思う。

 

亀田興毅は試合前から、何度も自分の年齢を口にしていた。

 

「俺、もう32歳やで」

「もうおっさんやで」

 

何度も自分の年齢を強調し、全盛期の頃とは違うことを強調していた。

 

天心を「若人」と形容するあたり、自分の年齢を暗に言い訳にしていたように見える。

 

確かに、引退して今や30代の亀田が全盛期では無いのは間違いない。

 

ところが考えて欲しい。

亀田興毅に勝利して引退に追い込んだ河野洋平は当時34歳。

そして、言わずもがな。那須川を一蹴したメイウェザーは40歳。

 

32歳なんてスポーツ選手としてもまだまだ若い。本来衰えを強調するような年齢でも無いはずだ。

 

このように試合前から自分の年齢を引き合いにした保険を掛けるような発言を繰り返していた時点で、亀田興毅はメンタル面で負けていたように思う。

 

個人的には結構面白く観させてもらったが、亀田興毅は晩節を汚したなと思う。

 

仮にも三階級制覇を達成したボクサーなら、エキシビジョンマッチとは言えこの試合は決して負けてはいけなかったと思う。

 

この試合を観た人は「ボクサー、大したこと無いじゃん」と思ってしまうはずだ。

 

いや、別に亀田は弱くは無いんだけど、格闘技を知らない人だったら間違いなくそう思ってしまうはず。三階級制覇という肩書は、ボクサーを代表してしまうのだ。

 

 

残念ながら、この試合で亀田はボクサーの顔に泥を塗ってしまったように思う。正直、こんな結果だったら、出ないほうがマシだった。

視聴者としては面白かったが、世の中のボクサーは怒り心頭かもしれない。

 

そんな中、ちょっと気になる動きが。

 

亀田兄弟の従弟の亀田京之介選手が那須川との対戦を要求している。

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亀田京之介の試合を観たことがあるが、結構強い。

 

何より彼は現役で、体重も那須川に近いので、試合が実現するとすれば面白い展開になると思う。

 

亀田京之介は失うものは無いので、思い切った試合が出来るはず。この対戦は、ちょっと観てみたい。